電気工事業の登録

電気工事業の登録について

電気工事業を営もうとする者は、電気工事の業務の適正化に関する法律(電気工事事業法 第3条)の規定により、経済産業大臣又は都道府県知事の登録を受けなければなりません。

Ⅰ 電気工事の定義

ここでいう電気工事とは、電気工事士法の第2条に規定されている「一般用又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事」を指します。

Ⅱ 電気工作物の種類

大きく分けて一般用電気工作物と事業用電気工作物に分けられ、さらに、事業用電気工作物は自家用電気工作物と電気事業用電気工作物に分類されます。

◎一般用電気工作物とは

比較的電圧が小さい電圧で(600V以下)受電する、需要設備又は小出力発電設備で、構外にわたる配電線路を有さないもの。
※構内以外の場所にある電気工作物に至る電線路を有するものは自家用電気工作物となります。

例)一般家屋や商店、小規模事業所等の屋内配線、一般家庭用太陽光発電設備・燃料電池発電等の小出力発電設備

※小出力発電設備とは

  • ①出力50kW未満の太陽電池発電設備
  • ②出力20kW未満の風力発電設備 
  • ③出力20kW未満の水力発電設備(ダムを伴うものを除く)
  • ④出力10kW未満の内燃力を原動力とする火力発電設備
  • ⑤出力10kW未満の燃料電池発電設備(固体高分子型または固体酸化型で、最高使用圧力0.1MPa未満のものに限る。)

◎事業用電気工作物とは

  • ①自家用電気工作物
    事業用電気工作物のうち、電気事業の用に供する電気工作物以外のもの
    例)工場・ビル、学校、病院、ホテル等の600Vを超える電圧で受電して
    電気を使用する設備などで、発電設備も含まれる)
  • ②電気事業用工作物
    電気事業法に基づいて設置される、電力会社や工場などの発電所、変電所、送電線など

電気工事に従事できる者

①第一種電気工事士

第一種電気工事士免状の取得者が従事できる電気工事

  • a.
    • 1. 自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備の電気工事
    • 2. 一般用電気工作物の電気工事

※自家用電気工作物のうち、特殊な分野である電気工事として「ネオン工事」「非常用予備発電装置工事」があり、これらの電気工事については、必ずしも自家用電気工作物の全体に係る知識、技能は必要とされない反面、その分野特有の専門的な知識、技能などが要求さることから、一定の講習修了者や試験合格者でないと従事できません。

②第二種電気工事士

第二種電気工事士免状の取得者が従事できる電気工事

  • b. 免状取得後3年以上の実務経験を積むか又は所定の講習を受けることにより産業保安監督部長等から認定電気工事従事者認定証の交付を受ければ、簡易電気工事(電圧600V以下で使用する自家用電気工作物(最大電力500kw未満の需要設備))に従事することができます。

電気工事業の登録等が必要な範囲とは

○登録電気工事業者 ⇒建設業許可を受けていない業者

一般用電気工作物又は自家用電気工作物(最大電力500kw未満の需要設備に限る)を設置、
変更する工事を業として行う者

登録の有効期間は5年(5年毎の更新登録が必要)

○みなし登録電気工事業者 ⇒建設業許可を受けている業者

一般用電気工作物又は自家用電気工作物(最大電力500kw未満の需要設備に限る)を設置、
変更する工事を業として行う者で、建設業法第3条第1項の許可を受けて建設業を営む者については、電気工事業を開始した時には遅滞なく、所管する行政庁への「電気工事業の開始届出(電気工事業開始届出書)」が必要です。(この場合、「建設業許可の種類」や「許可を受けている営業所」は問いません)

登録に有効期間はありませんが、建設業許可の更新に伴い速やかに電気工事業の変更届を提出する必要があります。

※ 建設業の許可を受ければ電気工事業は行えるのか?

建設業許可の要件電気工事業法の有資格者(主任電気工事士)の要件が異なることから、建設業許可を受けたからといって、電気工事業を行えるわけではありません。直接電気工事を行うためには、あくまでも電気工事業法の規定を充足(例えば主任電気工事士については要件を満たす者を選任しておく)しておかなければならないことに注意する必要があります。

○通知電気工事業者 ⇒自家用電気工作物についてのみ電気工事を行う者

電気工事業を開始する10日前までに、所管する行政庁への「電気工事業の開始の通知」を行うことが必要です。通常、上記の「登録電気工事業者」か「みなし登録電気業者」としての営業形態をとることが多く、「通知電気工事業者」は非常に希な存在です。「通知電気工事事業者」登録の有効期限はありません。

電気工事業の登録の例外

家庭用電気機械器具いわゆる家電機器の販売に付随して行う工事は、消費者へのサービスとして認められ電気工事業の登録・届出が不要です。(電気工事士が作業に従事する必要はあります)電気工事業の登録を受けていない販売業者が販売に付随して認められている電気工事の範囲は、使用電圧が200V以上のものを除くテレビや洗濯機用のコンセントを設ける等の局部的な工事とされています。

ただし、電気量販店の下請けとして、家電製品の販売に付随する上記の工事を行う場合や、幹線に係る工事、分岐回路の増設工事、分岐回路に設置されている分岐過電流保護器の容量変更を伴う工事あるいは屋側配線又は屋外配線に係る工事については、「登録電気工事業者」又は「みなし登録電気工事業者」でなければ行うことができません。

また、電気工事に該当する部分を全て下請に発注し、全く電気工事業を行わない場合には、電気工事業の登録等は不要です。

電気工事業の登録の窓口

営業所が静岡県内のみの場合  ⇒ 静岡県が窓口です。

電気工事業の登録業務は平成25年4月から
静岡市、浜松市、御前崎市、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町の3市4町の計7市町に移譲されています。

営業所が上記の権限委譲市町のみの場合 ⇒ 上記の各市町が窓口です。
営業所が複数の市町にまたがる場合   ⇒ 静岡県が窓口です。

営業所が複数の県にまたがる場合

営業所が中部電力管内のみの場合 ⇒中部・近畿産業保安部
営業所が東京電力管内のみの場合 ⇒関東・東北産業保安部
営業所が複数電力管内にまたがる ⇒経済産業省 原子力安全・保安院

Ⅶ登録申請に必要となる手数料など(静岡市の場合)

1 登録電気工事業者

  • ②登録電気工事業者の更新の登録
    有効期限5年が満了した後、引き続き電気工事業を営む方は、有効期限までに、静岡市長(産業政策課)の更新の登録が必要となります。
  • ③登録事項に変更が生じたとき
    届出事項に変更があった場合、変更した日から30日以内に、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります。
  • 電気工事業を継承したとき
    電気工事業を継承したときは、継承の日(相続の場合にあっては、その相続の開始があったことを知った日)から30日以内に、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります
  • 電気工事業を廃止したとき
    電気工事業を廃止したときは、廃止の日から30日以内に、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります。
  • 電気工事業者登録証を紛失したとき
    登録証を汚したり、登録証の記載事項が不鮮明になった時或いは紛失してしまったときは、登録証の再交付を受けることができます。
    ただし、紛失した登録証を発見した時は、速やかに静岡市長(産業政策課)に返納してください。

2 みなし登録電気工事業者

  • 電気工事業を開始したとき
    建設業法による許可を受けている方で、一般電気工作物又は一般用電気工作物及び自家用電気工作物に係る電気工事業を営む方は、業務を開始したとき速やかに、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります。これにより届け出た方を「みなし登録電気工事業者」といいます。
  • ②届出事項に変更が生じたとき、建設業許可を更新したとき
    届出事項に変更があった場合、速やかに、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります。
  • 電気工事業を廃止したとき
    電気工事業を廃止したときは、速やかに、静岡市長(産業政策課)に届け出る必要があります。