建設業許可業者の義務

●許可行政庁への届出義務

①変更の事実が発生したときから14日以内に変更届の提出を要する事項

・常勤役員等(経営業務の管理責任者)の変更

・健康保険等の加入状況の変更

・専任技術者の変更・追加・削除 

・欠格要件に該当したとき

・建設業法施行令第3条に規定する使用人の変更(許可を受けている支店の支店長等)

 ※既に令第3条使用人である者が営業所間で移動するときは、
  ③の毎事業年度終了後4ヶ月以内に提出する変更届として提出します。

②変更の事実が発生したときから30日以内に変更届の提出を要する事項

・商号又は名称

・営業所の名称・所在地(住居表示の変更を含む)

・営業所の新設・廃止

・営業所の業種追加・業種廃止

・資本金額

・役員等の就任 辞任

・議決権の100分の5以上を有する株主の変更

・代表者の変更

・役員等の氏名(改姓等)

・個人事業者 又は 個人事業者の支配人の氏名(改姓等)

・個人事業者の支配人(令第3条に規定する使用人)の就任 辞任

・一部・全部の業種の廃業

③毎事業年度終了後4ヶ月以内に変更届の提出を要する事項

・毎事業年度(決算期)を経過したとき(必ず提出する事項)

・許可を受けている工事業種の工事経歴書

・直前3年の各事業年度における工事施工金額

・財務諸表

・県税納税証明書

・毎事業年度(決算期)を経過したとき(変更があった場合に提出する事項)

・使用人数

・建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表

・定款

・健康保険等の加入対象となる従業員数

④変更が生じたら速やかに届出が必要なもの

・電話番号・ファックス番号

⑤許可を受けた後、5年ごとに行う届出(申請)

・建設業許可更新申請
 ※建設業許可は5年間の有効期間があり、この期間を満了すると許可は失効します。
  そのため、5年ごとに許可の更新の手続きを行う必要があります。

●標識の掲示、帳簿の備え付け・保存及び営業に関する図書の保存義務

①標識の掲示

 営業所 及び (発注者から直接 元請として請負った)建設工事の現場ごとに、
 標識を掲げなければなりません。
 営業所の標識(金看板)については、建設業許可の更新申請の際には、
 掲示状況の写真の提出が求められています。

②帳簿の備え付け・保存 

請負契約の内容を適切に整理した帳簿を営業所ごとに備えておかなければなりません。
帳簿については 5年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものにあっては10年間)の
保存義務が課せられています。

・帳簿に記載すべき内容

⑴ 営業所の代表者の氏名 及び その就任日

⑵ 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する 次の事項
  ・請け負った建設工事の名称 工事現場の所在地
  ・注文者との契約日・注文者の商号 住所 許可番号
  ・注文者による完成を確認するための検査が完了した年月日
  ・当該 建設工事の目的物の引渡しをした年月日

 ⑶ 発注者(宅地建物取引業者を除く)と締結した住宅を新築する建設工事の場合は
   請負契約に関する 次の事項
  ・当該住宅の床面積・建物瑕疵負担割合(複数の建設業者との間で請負契約が締結された場合)
  ・住宅瑕疵担保責任保険法人の名称(資力確保措置を保険により行った場合)

(4) 下請契約を締結した場合は 下請契約に関する 次の事項
  ・下請負人に請け負わせた 建設工事の名称 工事現場の所在
  ・下請負人との契約日・下請負人の商号 住所 許可番
  ・建設工事の完成を確認するための検査を完了した年月日
  ・当該 建設工事の目的物の引渡しを受けた年月日

(5) 特定建設業者が注文者となって
  資本金4,000万円未満の法人 又は 個人である一般建設業者と下請契約を締結したときは
  (1)~(4)の記載事項に加え 次の事項
  ・支払った 下請代金の額 支払年月日 及び 支払手段
  ・支払手形を交付したときは その手形の金額 交付年月日 及び 手形の満期
  ・下請代金の一部を支払ったときは その後の 下請代金の残額
  ・遅延利息を支払ったときは その額 及び 支払年月日

・帳簿の添付書類

⑴ 契約書 又は その写し

⑵ 特定建設業の許可を受けている者が 注文者(元請工事に限らない) となって
  一般建設業者(資本金が4,000万円以上の法人企業を除く) に 建設工事を下請負した場合には
  下請代金の支払済額  支払った年月日 及び 支払手段を証明する書類 (領収書等) 又は その写し

⑶ 建設業者が 施工体制台帳を作成したときは (元請工事に限る)  工事現場に据え付ける
  施工体制台帳の以下の部分 (工事完了後に 施工体制台帳から 必要な部分を抜粋します)

  ・当該工事に関し 実際に工事現場に置いた主任技術者 又は 監理技術者の氏名
   有する主任技術者資格 又は 監理技術者資格

  ・監理技術者補佐を置いたときは その者の氏名 有する監理技術者補佐資格

  ・主任技術者 若しくは 監理技術者 又は 監理技術者補佐以外に 専門技術者を置いたときは
   その者の氏名 その者が管理を担当した 建設工事の 内容 有する主任技術者資格

  ・下請負人(末端までの全業者を指しています 以下同じ) の商号 許可番号

  ・下請負人に請け負わせた建設工事の 内容 工期

  ・下請業者が 実際に工事現場に置いた 主任技術者の 氏名 有する 主任技術者資格

  ・下請負人が 主任技術者以外に専門技術者を置いたときは その者の氏名 
   その者が管理を担当した建設工事の 内容 有する主任技術者資格

●契約締結に関する義務

建設工事の請負契約の締結に関しては、着工前の書面契約の義務があり、
建設業法第19条第1項では、工事契約書面への必須記載事項として、次の16項目を定めています。

なお、工事請負契約書によらず、
「注文書 及び 注文請書」を交換する方法による契約も可能ですが、
その場合、事業者間の継続的取引において、反復継続される個々の取引に
共通して適用される契約内容を

あらかじめ事業者間で合意しておくための 基本契約書に 次の16項目を定め、
相互に署名 又は 記名押印し、取り交わしておく必要があります。

基本契約書の取り交わしあたっては、
必須記載16項目について、建設業者と注文者が一条ずつ協議しながら
基本契約書を作成することが原則ですが、

それでは、契約締結までに時間を要するという難点があるため
実務的には、「中央建設業審議会」や「民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会」において
示されている「工事請負契約約款」などを「注文書 及び 注文請書」に添付し、
請負契約を締結するといったことも行われています。

また、請負契約に関する「契約書」注文書 及び 注文請書(控)」「請求書(控)」などについては、商法第19条第3項や 会社法第432条第2項において 営業や事業に関する重要な資料として、
会計帳簿閉鎖の時から10年間の保存義務が課せられています。

① 工事の内容

② 請負代金の額

③ 工事着手の時期 及び 工事完成の時期

④ 工事を施工しない日 又は 時間帯の定めをするときは その内容

⑤ 請負代金の全部 又は 一部の前金払 又は 出来形部分に対する支払の定めをするときは
  その支払の時期 及び 方法

⑥ 当事者の一方から設計変更 又は 工事着手の延期
  若しくは 工事の全部 若しくは 一部の中止の申出があった場合における
  工期の変更 請負代金の額の変更 又は 損害の負担 及び それらの額の算定方法に関する定め

⑦ 天災 その他 不可抗力による工期の変更 又は 損害の負担 及び その額の算定方法に関する定め

⑧ 価格等の変動 若しくは 変更に基づく請負代金の額 又は 工事内容の変更

⑨ 工事の施工により 第三者が損害を受けた場合における 賠償金の負担に関する定め

⑩ 注文者が 工事に使用する資材を提供し 又は 建設機械 その他の機械を貸与するときは
  その内容 及び 方法に関する定め

⑪ 注文者が 工事の全部 又は 一部の完成を確認するための検査の時期
  及び 方法 並びに 引渡しの時期

⑫ 工事完成後における請負代金の支払の 時期 及び 方法

⑬ 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任 又は 当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結
  その他の措置に関する定めをするときは その内容

⑭ 各当事者の履行の遅滞 その他債務の不履行の場合における遅延利息 違約金 その他の損害金

⑮ 契約に関する紛争の解決方法

⑯ その他国土交通省令で定める事項

※一定規模以上の 解体工事
(床面積80㎡以上の建築物の解体工事、床面積の合計が500㎡以上建築物の新築又は増築の工事、
請負代金の額が1億円以上の建築物の新築工事、請負代金の額が500万円以上の建築物以外
のものに係る解体工事など)の場合は

(1)分別解体の方法

(2)解体工事に関する費用

(3)再資源化等をするための施設の 名称 及び 所在  

(4)再資源化等に要する費用 等についても要記載です。

●下請代金の支払いに関する義務

① 元請負人は、注文者から請負代金の出来形部分に対する支払い
 又は 工事完成後における支払いを受けたときは、

 その支払対象となった工事を施工した下請負人に対して、
 相当する下請代金を1ケ月以内に支払わなければなりません。  

② 下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう
 適切な配慮をしなければなりません。

 手形で支払う場合においても、手形期間は120日以内で、きるだけ短い期間と
 しなければなりません。

元請負人は、 前払金の支払いをけたときは、下請負人に対して資材の購入、
  労働者の募集その他 建設工事の着手に必要な費用を 前払金として支払うよう
  配慮しなければなりません。

④ 下請工事の完成を確認するための検査は、下請負人から工事完成の通知を受けた日から
  20日以内に行い、 かつ、 完成検査後に下請負人が工事の目的物の引渡しを申し出たときは、
直ちに引渡しを受けなければなりません。

⑤ 特定建設業者は、注文者から支払いを受けたか否かにかかわらず、
(特定建設業者 又は 資本金額が4,000万円以上の法人を除く)下請負人からの工事の
目的物の引渡し申出日から起算して5 0日以内に下請代金を支払わなければなりません。

※更に、特定建設業者
 ①の元請負人としての義務と、⑤の特定建設業者の義務の両方の義務を負うこととなるため、
 出来形払いや完成払いを受けた日から1ケ月以内 又は 引渡しの申出から5 0日以内の支払期日の
 いずれか早い時期に下請代金を支払わなければなりません。
 また、下請代金の支払いについては、手形期間が120日を超える手形などの一般の金融機関による
 割引を受けることが困難と認められる手形によって行うことは禁止されています。

●工事現場における施工体制等に関する義務

①工事現場への主任技術者の配置義務

建設業の許可を受けた者は、元請・下請の別に関わらず、
特定専門工事で主任技術者の配置が不要な工事を除き全ての工事現場に
主任技術者 又は 監理技術者(特定監理技術者を配置した場合は 監理技術者補佐を含む)を
配置しなければなりません。

②工事現場への主任技術者等の専任配置義務

請負代金、工事間の距離、発注者の承認などによる例外はありますが、
個人住宅を除くほとんどの工事で、請負代金の額が 税込み4,000万円
(建築一式工事の場合は税込み8,000万円)以上の工事に係る 主任技術者又は 監理技術者は、
当該工事現場に専任しなければならず、他の工事現場との兼任ができません。

③ 一括下請負(丸投げ)の禁止

請け負った工事について、他者に一括して下請負する行為、
他者から工事を一括して下請負する行為の双方が禁止されています。

④ 特定建設業者に関する義務

発注者から工事を直接請け負った特定建設業者が、税込み4,500万円
(建築一式工事の場合は税込み7,000万円)以上を下請負して工事を施工するにあっては、

当該工事に係る全ての下請業者を明らかにする施工体制台帳を作成する義務があります。 
発注者から工事を直接請け負った特定建設業者は、当該工事に係全ての下請業者に対する

法令順守に関する指導の実施、法令違反については是正指導是正しない場合には
許可行政庁への通報義務があります。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました