●建設業許可の区分
建設業の許可には、次のような区分があります。
〇「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」
〇「一般建設業許可」と「特定建設業許可」
〇「29種類の業種別許可」
〇国土交通大臣許可と都道府県知事許可
・建設業の許可は、国土交通大臣 又は 都道府県知事が行います。
(1)国土交通大臣許可は、
複数の都道府県に「営業所」を設けて営業しようとする場合、
受ける必要がある許可です。
(2)都道府県知事許可は、
1つの都道府県内のみに「営業所」を設けて営業しようとする場合、
受ける必要がある許可です。
この、国土交通大臣許可・都道府県知事許可の区分は、
営業所の所在地によってのみなさている区分であり
都道府県知事許可であっても営業できる区域や、
建設工事を施工できる区域については、
許可を受けた都道府県内に制限されることはありません。
〇一般建設業許可と特定建設業許可
建設業の許可は、29種類に分類されている建設工事の種類ごとに
「一般建設業許可」又は「特定建設業許可」のいずれかを受けることとなります。
(1)一般建設業の許可は、
建築一式工事以外の工事の場合は、工事1件の請負代金の額が(税込みで)500万円以上、
建築一式工事の場合は、工事1件の請負代金の額が(税込みで)1,500万円以上、
(但し、木造住宅は請負代金の額にかかわらず延べ面積が150㎡以上)の工事を
請負施工する場合に、受ける必要のある許可です。
(2)特定建設業の許可は、
施主から、直接請負う1件の建設工事(元請工事)について、
下請契約を締結して施工しようとする場合、
下請代金の額(下請契約が2つ以上あるときは、下請代金の総額)が
建築一式工事以外の工事の場合は、
(税込みで)4,500万円以上となる下請契約を締結して施工しようとする場合に
建築一式工事の場合は、
(税込みで)7,000万円以上となる下請契約を締結して施工しようとする場合に
受ける必要のある許可です。
〇29種類の業種別許可について
建設業の許可は、建設工事の種類によって区分された、29種類の業種ごとに受けなければなりません。
29種類の業種は、以下のように土木一式工業と建築一式工事業の2つの
一式工事業と、
27種類の専門工事業に区分されます。
(3)大工工事業
(4)左官工事業
(6)石工事業
(7)屋根工事業
(8)電気工事業
(9)管工事業
(10)タイル・れんが・ブロック工事業
(11)鋼構造物工事業
(12)鉄筋工事業
(13)舗装工事業
(14)しゅんせつ工事業
(15)板金工事業
(16)ガラス工事業
(17)塗装工事業
(18)防水工事業
(19)内装仕上工事業
(20)機械器具設置工事業
(21)熱絶縁工事業
(22)電気通信工事業
(23)造園工事業
(24)さく井工事業
(25)建具工事業
(26)水道施設工事業
(27)消防施設工事業
(28)清掃施設工事業
(29)解体工事業
ちなみに
建設業許可申請の手数料は、申請業種が、1業種であっても、29業種であっても、
県知事許可の場合、一律「9万円」、大臣許可の場合、一律「15万円」とされています。
このうち、土木一式工事 及び 建築一式工事の2つの一式工事は、
他の27種類の専門工事とは異なり、総合的な企画、指導、調整のもとに
土木工作物 又は 建築物を建設する工事であり専門工事を組み合わせて行う工事を想定しています。
なお、土木一式工事業や建築一式工事業の許可を受けていても、
他の27種類の専門工事の許可を受けていない場合、
(税込みで)500万円以上の専門工事を請負施工することはできません。
たとえば、
建築一式工事のみの許可を受けている場合、
一棟全体の住宅建設工事を請け負うことは出来ますが、
その工事の構成要素である、
大工工事、屋根工事、内装仕上工事、電気工事、管工事などの専門工事については、
工事1件の請負代金の額が(税込みで)500万円以上である場合、
それら専門工事を単独で請け負う場合には、それぞれの専門工事業について
許可を受けていなくてはなりません。
ただし、この例外として、
許可を受けた建設業者が、その許可された業種の建設工事を請け負う場合に、
その建設工事に従として附帯する他の建設工事(「附帯工事」)を
一体として請け負うことは差し支えありません。
たとえば、
モルタルの補修の左官工事ための下地を修正する工事は、大工工事に該当しますが、
この工事は左官の目的のための附帯工事であるため、大工工事業の許可を受けていなくても、
左官工事業の許可を受けていれば施工することができます。
この場合
主体となる工事は ⇒ モルタル補修の左官工事となり
附帯工事は ⇒ 下地修正の大工工事となります。
ただし、
この付帯工事のみで請負代金の額が500万円以上となる場合は、
一定の資格や実務経験を有している(専任技術者や主任技術者の資格要件を満たす)者を、
「専門技術者」として現場へ配置することが求められています。(建設業法第26条の2)