エコアクション21認証・登録制度とは
エコアクション21認証・登録制度とは、
環境省が策定した「エコアクション21ガイドライン2017年版」に基づき、
経営を通じて、環境保全に取り組んでいることの認証を受ける制度です。
建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可などの許認可制度とは異なり、
エコアクション21は、 企業の環境経営システム(環境への取り組み)が、
環境省が定めた基準を満たしていることが認証される制度となります。
エコアクション21の認証・登録の有効期間は2年間ですが、
中間審査と更新審査があるため、実際には1年ごとに、環境保全に関する取組状況が評価されます。
エコアクション21の取り組みとは、簡単に表現すると次の①~③を継続的に取り組む活動といえます。
①定期的に、 電気代の伝票、ガソリンスタンドの領収証、産廃のマニュフェスト、水道の検針票、
化学物質を含む製品について、容器に記載された成分表、環境への負荷の自己チェック表を参考にして
事業活動の環境への負荷を調査し、
②その結果を踏まえて、 環境への取組の自己チェック表などを参考に環境への負荷の削減や改善を図り続け、
③その取り組みについて、 環境経営レポートを作成・公表を行う活動。
エコアクション21認証・登録にて評価されること
具体的には、以下の様な取り組みについての評価を受けます。
- 電気使用量の削減(空調の適温化、不使用照明の消灯など)
- ガソリン使用量の削減(エコドライブの完工、公共交通機関の利用など)
- 軽油・灯油・重油・ガスなどの使用料の削減
- 廃棄物(一般・産廃)の削減(分別・リサイクル推進、紙類使用の削減など)
- 水の使用量の削減(手洗いや洗車の節水、トイレ使用時の大小使い分けなど)
- 化学物質使用料の削減(接着剤・防水材・塗料などの使用の効率化など)
- アスファルト・コンクリート ・土砂 ・木材 ・鋼材などの資源の使用の効率化など
- 環境保全の取り組みへの参加(環境に関するイベント参加など)
- 環境に配慮した設計・施工(高断熱性のガラス使用、廃棄が少ない機器の導入など)
この様な取り組みを行い、その効果を評価するためには事業活動の環境負荷を可視化する必要があるので
電気代の伝票、ガソリンスタンドの領収証、産廃のマニュフェスト、水道の検針票、
化学物質を含む製品について、容器に記載された成分表などを参考に
環境への負荷の自己チェック表(建設) 環境への負荷の自己チェック表(産廃)を作成し
自社の事業活動による環境負荷を可視化するとともに
環境への取組の自己チェック表(建設) 環境への取組の自己チェック表(産廃)を使用し、
自社の環境への取り組み状況を把握します。
※なお、産業廃棄物収集運搬業許可を有する建設業者については、
「建設業者向けガイドライン」、および、「産業廃棄物処理業者向けガイドライン」に準拠した形で、
環境経営を実施することが要求されているため 「建設業用」および「産廃用」の2つの自己チェック表を用います。
エコアクション21の認証・登録を受けるための要件
要件①:PDCAサイクルに基づく環境経営システムの構築・運用・維持
環境への負荷を把握し、環境への取組を計画・実施・評価・改善するPDCAサイクルに基づく
環境経営システムを構築・運用・維持していること。
要件②:環境経営システムの運用・維持の実績
構築した環境経営システムを3か月以上運用・維持の実績があること。
要件③:環境への取組の実施
環境負荷の把握に基づき、必要な環境への取組を実施していること。
要件④:代表者による全体の評価と見直し・指示
代表者による全体の評価と見直し・指示が適切に行われていること。
要件⑤:環境経営レポートの作成・公表
環境経営レポートを定期的に作成・公表していること。
要件⑥:環境負荷等のデータの提供
環境負荷等のデータを審査員に提供していること。
要件⑦:整合性の確保
環境への負荷の自己チェック及び取組の自己チェックの内容、環境経営方針、
環境経営目標、環境経営計画の内容、並びに環境経営レポートの内容が整合していること。
エコアクション21の認証・登録を受けるには
エコアクション21の認証・登録を受けようとする事業者は、
建設業者は、「建設業者向けガイドライン」、および、「産業廃棄物処理業者向けガイドライン」などを参考に
ガイドラインで規定する14の要求事項に満たすよう環境に関する取り組みを実施し、
上記の、エコアクション21の認証・登録を受けるための7つの要件を満たした段階で
エコアクション21の認証・登録を受けるための審査を受審します。
エコアクション21の認証・登録の審査は、「書類審査」および、「現地審査」による審査が行われます
書類審査
書類審査では以下の書類に関しての審査を行います
環境経営レポートには以下の事項について盛り込み作成します。
- 環境経営方針
- 環境への負荷の自己チェック結果
- 環境への取組の自己チェック結果
- 環境関連法規などの取りまとめ(一覧表など)
- 環境経営目標
- 環境経営計画
- 実施体制
- 外部からの苦情などの受付状況及び対応結果
- 事故及び緊急事態の想定結果及びその対応策
- 環境上の緊急事態の対応に関する試行及び訓練の結果
- 環境経営目標の達成状況及び環境経営計画の実施状況,及びその評価結果
- 環境関連法規などの遵守状況の結果
- 問題点の是正処置及び予防処置の結果
- 代表者による全体の取組状況の評価と見直し・指示の結果
エコアクション21の取組は、
継続的に電気代の伝票、ガソリンスタンドの領収証、産廃のマニュフェスト、水道の検針票、
化学物質を含む製品について、容器に記載された成分表などを参考にして、
事業活動の環境への負荷をチェックし、環境への取り組みを改善し続け、その取り組みについて
環境経営レポートにまとめ、公表するということになろうかと思います。
現地審査
エコアクション21現地審査は、
2~3日程度の日程にて、事務所、現場、作業場、資材置場などの審査が行われ
実施手順は、以下の10のステップに分けられます。
- 事前打合せ
- 審査開始会議
- 代表者インタビュー
- 事業概要のヒアリング及び審査申込書の内容の確認
- 事業所内の視察
- 環境管理の責任者への審査
- 部門(現場)での審査
- 審査員による審査結果の取りまとめ及び審査報告書の作成
- 環境管理の責任者との連絡打合せ
- 審査終了会議
1. 事前打合せ
審査員は、受審事業者と審査のスケジュールや必要書類の確認などを行います。
2. 審査開始会議
審査員は、審査の目的や方法、スケジュールなどを受審事業者に説明します。
3. 代表者インタビュー
審査員は、代表者から事業全般や環境経営に対する考え方などをヒアリングします。
4. 事業概要のヒアリング及び審査申込書の内容の確認
審査員は、事業概要や審査申込書の内容をヒアリングして確認します。
5. 事業所内の視察
審査員は、事業所内の環境関連設備や環境負荷の状況などを視察します。
6. 環境管理の責任者への審査
審査員は、環境経営システムの構築や運用状況などを環境管理の責任者からヒアリングします。
7. 部門(現場)での審査
審査員は、部門や現場で環境経営目標や計画の実施状況などをヒアリングします。
8. 審査員による審査結果の取りまとめ及び審査報告書の作成
審査員は、現地審査の結果に基づいて審査報告書を作成します。
9. 環境管理の責任者との連絡打合せ
審査員は、審査結果の確認や不適合事項への対応策などを環境管理の責任者と協議します。
10. 審査終了会議
審査員は、審査結果を総合評価し、受審事業者に説明します。
※ 審査の対象範囲が建設業の場合は、建設現場での審査も実施する必要があります。
エコアクション21の認証登録に必要となる費用
エコアクション21の認証登録には 「審査費用」と 「認証・登録料」が必要となります。
審査費用は、
審査員1人日当たり5万円/人日(消費税別)です。
目安としては、審査員2名×2日=20万円 ~ 30万円程度の審査費用が必要とされているようです。
認証・登録料は、
従業員数によって異なり、5万円~30万円とされています。
エコアクション21取得支援セミナーについて
エコアクション21ガイドライン2017年版(2017年版が最新版)では、
以下の14の要求事項が定められています。
- 取組の対象組織・活動の明確化
- 代表者による経営における課題とチャンスの明確化
- 環境経営方針の策定
- 環境への負荷と環境への取組状況の把握及び評価
- 環境関連法規などの取りまとめ
- 環境経営目標及び環境経営計画の策定
- 実施体制の構築
- 教育・訓練の実施
- 環境コミュニケーションの実施
- 実施及び運用
- 環境上の緊急事態への準備及び対応
- 文書類の作成・管理
- 取組状況の確認・評価,並びに問題の是正及び予防
- 代表者による全体の評価と見直し・指示
これらの要求事項に沿って、環境経営システムを構築・運用することで、
エコアクション21の認証・登録を取得することができますが、
認証登録を取得した後も、1年後に中間審査、2年後に更新審査と毎年審査員によるチェックがあります。
このように、認証登録の維持(更新)は長期的かつ包括的な視点により行う必要があるため、
最初は、専門家による体系的な援助を受け、環境経営システムの構築を行うことをお勧めします。
静岡市では、事業者向けに「静岡市エコアクション21取得支援セミナー」を開催しています。
このセミナーでは、エコアクション21の審査人を講師として、
環境マネジメントシステムの構築・運用等について学びながら、上記の14要求事項を満たした
環境マネジメントシステムを12ヶ月程かけて構築し、認証登録の取得申請を目指すセミナーとなっています。
当該セミナーは毎年、以下の様な日程にて開催されているのでセミナーの参加を検討してみては如何でしょうか?
セミナーは、事前説明会と 7月から翌年2月まで、全5回 13:30~16:00の日程で構成されています。
第0回 6月 事前説明会 6月中
第1回 7月 環境負荷の取りまとめや環境への取り組みについて
第2回 8月 環境マネジメントシステム作りについて
第3回 9月 システムの運用について
第4回 11月 環境活動レポートの作成について
第5回 2月 とりまとめ